「実は簡単?!」中国語の発音完全解説【音声付き】(ピンイン編)
この記事の目次
そもそも中国語の発音って具体的にどんなもの??
中国語の発音は「四声」と「ピンイン」で構成されています。
四声の徹底解説はこちら。
ピンインとは?
中国語の最大の難点は「発音」だとよく言いますね。
逆に言えば「発音」さえマスターしてしまえば、あとが楽になります。
私の生徒様で実際にあった体験談です。
その方は、結構中国語を聞き取れて意味も理解できる中級者レベルです。
最初の発音をパッパッと触りだけ勉強し、その後文法や中国語検定の勉強などへ進みました。
なので、中国語で言われている事を理解する事はできます。
しかし、ピンインをほとんど覚えておらず、発音も何度か聞き直してやっと理解出来る程度でした。
結局、一から「四声」と「ピンイン」をやり直し、発音を矯正する羽目になったのですが、一度染み付いてしまったものを矯正するのはとても時間がかかります!
その方はショートカットをしようと思って、逆に遠回りをしてしまったのです。
せっかく中級者レベルなのに会話が出来ないのもすごくもったいない。
最初から「発音」をしっかり勉強する事は、中国語学習の近道とも言えます。
いきなりピンイン表を見ると、そこには400の音があります。
これ全部覚えなきゃいけないの??それだけでやる気がなくなってしまいます。
実は、全部覚える必要なんてないのです!!
ピンインの仕組みは「母音36個」と「子音21個」の組み合わせになります。
全部で「57個」の音を覚えてしまえば、あとは組み合わせるだけです。
日本語の「五十音表」と同じくらいの数だと思ったら、覚えられそうな気がしてきましたね。
そこに「四声」(4種類の声調)を組み合わせて行くだけで、一気に1600個の音になります。
でも実際に覚えるのは「36+21+4=61」種類です。
俄然やる気が出てきませんか?
61個覚えるだけで、中国語の発音をマスターできるのですから。
では、実際に一つずつ音声と一緒に詳しく見ていきましょう。
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ピンインの種類
【母音】
7個の単母音
1つの音節の中に母音を1つしか含まないものを「単母音」といいます。
o:日本語の「オ」よりもっと唇をまるく突き出して「オー」 ☆e:唇を左右に引き、口の形は「エ」で「オー」を言う。喉の奥から声を出すイメージ i:唇を左右に引いて「イー」 u:思いっきり唇をまるく突き出し、口の奥から「ウー」。舌の位置は日本語の「オ」と同じ位置です。 ☆ü:上のuと同じ口の形で「イ」を言う。口をすぼめるのがポイント ☆er:「ア」と発音しながら、舌を上にそらせる。 ☆は日本人が特に苦手な音です。日本語にはない音なので、音声を繰り返し聞きながら出来るまで練習しましょう。
注:英語の巻き舌とは違い、発音しながら舌を徐々にそらすのがポイント
口の形を意識して練習すれば必ず出来る様になります。
※表記上の注意点。
単独で表記する時、3つ変化する単母音があります。
発音には直接関係しませんので、最初はあまり気にしなくてもいいです。
i → yi
u → wu
ü → yu
単母音が入ってる単語で四声と合わせて練習してみましょう。
2.mǎ(马):馬 3.é(鹅):ガチョウ 4.è(饿):空腹 5.yī(一):一 6.yì(亿):億 7.wú(无):無 8.wǔ(五):五 9.yú(鱼):魚 10.yǔ(雨):雨 11.èr(二):二 12.ěr(耳):耳
13個の複合母音
二重母音 タイプ① >型(しりすぼみ型)
だんだん弱く発音します。日本人には簡単な発音ばかりです。
ei:日本語の「エイ」とほぼ同じ。複合母音のeは「エ」の音になる ao:日本語の「アオ」とほぼ同じ。「a」をはっきりと ou:日本語の「オゥ」。舌はずっと「オ」の位置で下がったまま ※ピンインを見ただけで正しく発音できるまで練習しましょう。
この発音はノーマルにローマ字読みするだけで大丈夫です。
二重母音 タイプ② <型(発展型)
ie:口を横にひく「i」から「エ」になめらかにつなげる 『ィエー』 ua:口をすぼめて丸く突き出した「ウ」の口で『ゥワー』 uo:口をすぼめて丸く突き出した「ウ」+「オ」。『ゥオー』 ☆üe:口をすぼめて『ュエー』に近い ☆は日本人が特に苦手な音です。
日本語にはない音なので、音声を繰り返し聞きながら出来るまで練習しましょう。
口の形を意識して練習すれば必ず出来る様になります。
三重母音 ◇型(ひしもち型)
3つの母音が連続してなめらかに発声されるものを三重母音といいます。
☆iou:真ん中の「o」を強く前後の音は軽く添えるイメージ uai:「ゥアイ」 真ん中の「a」を強く前後の音は軽く添えるイメージ ☆uei:「ゥエィ」真ん中の「e」を強く前後の音は軽く添えるイメージ ☆は日本人が特に苦手な音です。
日本語にはない音なので、音声を繰り返し聞きながら出来るまで練習しましょう。
口の形を意識して練習すれば必ず出来る様になります。
※表記上の注意点。
子音と組み合わせる時、表記が変化する三重母音が2つあります。
iou → iu
uei → ui
この二つは表記する時真ん中の「o」と「e」がなくなりますが、
発音する時は「o」と「e」を忘れずにしっかり発音しましょう。
複合母音を比較しながら発音の違いを復習してみましょう
2.aoとiao 3.uoとou 4.aiとuai 5.eiとie 6.eiとuei(ui) 7.uei(ui)とuai 8.ouとiou(iu)
16個の鼻母音(びぼいん)
単母音+「n 」、「 ng 」で終わるものを鼻母音といいます。
日本人には同じ「ン」に聞こえますが、中国語では完全に別な音です。
きちんと違いを理解することが大切です。
日本人が苦手な発音の1つですが、コツをおさえれば意外と簡単です。
「n」で終わる鼻母音:唇を左右に引き、口の形は横開きです。
「ng」で終わる鼻母音:口を縦に大きく開けるのがポイントです。
口の形を意識しながら、練習しましょう。
「n」で終わる鼻母音:唇を左右に引き、口の形は横開きです。
☆en:唇を左右に引き、口の形は横開きで「ア」と「エ」の間 +「ン」 in:唇を左右に引き、口の形は横開きで「イーン」 ☆ian:唇を左右に引き、口の形は横開きで「イェーン」 ☆uan:口をすぼめて丸く突き出した状態で「ウ」 + 唇を左右に引き、口の形は横開きで「安心」の「安」 ☆uen:口をすぼめて丸く突き出した状態で「ウ」+ 唇を左右に引き、口の形は横開きで「ア」と「エ」の間 +「ン」 ☆ün:「ユィン」に近い音で「ü 」+「ン」 口の形は最初丸く突き出した状態から横開きになっていくイメージ ☆üan:「ユェン」に近い音で、口の形は最初丸く突き出した状態から横開きになっていくイメージ ☆は混同しやすく、日本人が特に苦手な音です。 口の形を意識しながら、練習しましょう。 ☆eng:口を縦に大きく開けて「e」+「ng」。「ア」と「エ」の間 + 鼻から抜ける「ン」のイメージ ☆ing:「i」+ 口を縦に大きく開けて「ng」。「イ」+ 鼻から抜ける「ン」のイメージ iang:「イアーン」に近い。「イ」+口を縦に大きく開けて「アーン」のイメージ uang:「ウアーン」に近い。口を丸くすぼめて「ウ」+口を縦に大きく開けて「アーン」のイメージ ☆ueng:口を丸くすぼめて「ウ」+ 口を縦に大きく開けて「ア」と「エ」の間 + 鼻から抜ける「ン」のイメージ ong:口を丸くすぼめながら縦に大きく開けて「オーン」 ☆iong:「イ」+ 口を丸くすぼめながら縦に大きく開けて「オーン」 ☆は混同しやすく、日本人が特に苦手な音です。 実際の音節で鼻母音を比較してみましょ xiāng(香):芳しい 2.fēn(分):分 fēng(风):風 3.yīn(音):音 yīng(英):英 4.qián(钱):お金 qiáng(强):強い 5.wán(玩):遊ぶ wáng(王):王 6.yán(盐):塩 yáng(羊):羊 7.mín(民):民 míng(明):明るい 8.chuán(船):船 chuáng(床):ベッド 9.sǎn(伞):傘 sǎng(嗓):のど 10.bǎn(板):板 bǎng(绑):縛る この様に、鼻母音の発音を間違えてしまうと意味が全く変わってしまいます。 中国語の子音は全部で21個あります。 不安になっちゃいますよね。でも、安心してください。 では、実際に詳しくみていきましょう。 舌尖音(ぜっせんおん):d(e)、t(e)、n(e)、l(e) ☆舌根音(ぜっこんおん):g(e)、k(e)、h(e) 舌面音(ぜつめんおん):j(i)、q(i)、x(i) ☆そり舌音(そりじたおん):zh(i)、ch(i)、sh(i)、r(i) 舌歯音(ぜっしおん):z(i)、c(i)、s(i) ☆は日本人が特に苦手な音です。日本語にはない音なので、音声を繰り返し聞きながら、 無気音とは:息を抑えて発音する音 唇音(しんおん)は4つあります。 p(o):「プォー」に近い。「プッ」と息を勢いよく吐いてから母音の「オー」。有気音です。 m(o):「モォー」に近い。息をあまり吐かない無気音。 f(o):「フォー」に近い。英語のfにも近い。下唇を軽く噛んで、「フッ」と息を勢いよく吐いてから母音の「オー」。有気音です。 舌尖音(ぜっせんおん)は4つあります。 t(e):母音の「e」の口の形を意識して、舌先を上の歯ぐきから離しながら発音する有気音。 n(e):鼻の奥を少し振動させてから「ン」を発音してから母音の「e」を発音する無気音。 l(e):母音の「e」の口の形を意識して、舌先を上の歯ぐきから離しながら発音する無気音。 舌根音(ぜっこんおん)は3つあります。 k(e):母音の「e」の口の形を意識して、舌先を下の歯茎につけながら発音する有気音。英語の「cake」の「ke」を伸ばしたイメージ。 h(e):母音の「e」の口の形を意識して、舌先を下の歯茎につけながら発音する有気音。 舌面音(ぜつめんおん)は3つあります。 q(i):母音の「i」の口の形を意識して、上下の歯を軽く触れさせながら発音する有気音。ほぼ日本語の「チー」と同じ。 x(i):母音の「i」の口の形を意識して、上下の歯を軽く触れさせながら発音する有気音。ほぼ日本語の「シー」と同じ。 そり舌音(そりじたおん)は4つあります。 ch(i):上下の歯を合わせて、舌をそり上げ、隙間から息を漏らすように「チー」と発音するとできます。有気音です。舌は音を出す時、かすかに上あごに触れます。 sh(i):上下の歯を合わせて、舌をそり上げ、隙間から息を漏らすように「シー」と発音するとできます。有気音です。舌はどこにも触れません。 r(i):上下の歯を合わせて、舌をそり上げ、舌をどこにも触れさせずに「リー」と発音するとできます。無気音です。 舌歯音(ぜっしおん)は3つあります。 c(i):唇を左右に引き上下の歯を合わせて、舌を後ろに引いた状態から、発音する時舌先を少し前に押していくイメージで「ツー」。息を出しながら音を出す。有気音です。 s(i):唇を左右に引き上下の歯を合わせて、舌を後ろに引いた状態から、発音する時舌先を少し前に押していくイメージで「スー」。息を出しながら音を出す。有気音です。 無気音と有気音を音節で比較してみましょう。 有気音 pà(怕):恐る 2.無気音 dǎ(打):殴る 有気音 tǎ(塔):塔 3.無気音 gè(个):個 有気音 kè(课):授業 4.無気音 jī(鸡):にわとり 有気音 qī(七):七 5.無気音 zhá(炸):揚げる 有気音 chá(茶):お茶 6.無気音 zì(字):字 有気音 sì(四):四 7.無気音 nóng(浓):濃い 有気音 hóng(红):赤 8.無気音 lì(力):力 有気音 xì(细):細い 9.無気音 mó(膜):まく 有気音 fó(佛):仏 10.無気音 rì(日):日 有気音 shì(是):〜は このように、かすかな違いですが、意味がまったく変わってしまうので、 【完全無料】1日5分で中国語の発音をマスターする動画レッスン 日本人が特に苦手な発音を入れた単語集です。 2.yǔ yī(雨衣):レインコート 3.guān mén(关门):ドアを閉める 4.guān guāng(观光):観光 5.lù yīn(录音):録音 6.yīng yǔ(英语):英語 7.quán xiàn(全线):全路線 8.jīn quàn(金券):金券 9.rén shēng(人生):人生 10.rèn zhēn(认真):まじめ 11.lóng fèng(龙凤):龍と鳳凰 12.yuān yāng(鸳鸯):おしどり 13.cāo zuò(操作):操作 14.chū zū chē(出租车):タクシー 15.zhàn chǎng(战场):戦場 16.zhāng yú(章鱼):たこ 17.jià qián(价钱):価格 18.jiǎn qīng(减轻):軽減 19.gǒu(狗):犬 20.hóu(猴):猿 21.zá zhì(杂志):雑誌 22.zhí zi(侄子):甥 23.zuàn shí(钻石):ダイヤモンド 24.zòng zi(粽子):ちまき 25.cāo chǎng(操场):校庭、運動場 26.chī cù(吃醋):ヤキモチを焼く 27.ěr jī(耳机):イヤフォン 28.rì běn(日本):日本 29.ěr guāng(耳光):ビンタ 30.rì chū(日出):日の出 【完全無料】1日5分で中国語の発音をマスターする動画レッスン 関連記事でも紹介してますが、一番のおすすめは”マウストレーニング”です。 関連記事の”四声編”でもおすすめしている方法ですが、日本語はあまり大きく口を開けなければいけない発音や巻き舌などの発音が少ないですよね? 一種の”筋トレ”だと思って、声に出して日々中国語の発音練習を行ってみてください。 また、初心者から中級者の間は、テキストやノートに必ず声調記号を書きましょう。 【完全無料】1日5分で中国語の発音をマスターする動画レッスン いかがでしたでしょうか? 今回は中国語のピンインについて徹底解説を致しました。 ⇒あたなの中国語レベルがわかる「無料レベルチエックテスト」実施中 知りチャイナでは、引き続き中国語学習に役立つ情報を提供して参ります。
日本語にはない音なので、音声を繰り返し聞きながら出来るまで練習しましょう。
口の形を意識して練習すれば必ず出来る様になります。
「ng」で終わる鼻母音:口を縦に大きく開けるのがポイントです。
日本語にはない音なので、音声を繰り返し聞きながら出来るまで練習しましょう。
口の形を意識して練習すれば必ず出来る様になります。
少し難しい発音が多いですが、しっかりと正しく発音できる様に練習しておきましょう。【子音】
21個の子音
子音はそれだけでは発音が出来ないので、必ず母音を付けて発音練習します。
また、子音の発音の難しいところは、一度に注意すべき点がいくつもあるところです。
例えばそり舌音であれば舌をそらせながら、無気・有気にも注意するというような感じです。
やったことのない、舌の動きや息の出し方のオンパレード・・・。
習った事ない人ならはじめはできなくて当たり前です!
一つ一つ音を理解し、音声→マウストレーニングを繰り返していけば、必ずできる様になります。
舌の位置や口の形など一つずつ正しく発音できるまで練習しましょう。子音の無気音と有気音ってなに?
有気音とは:勢いよく息を吐くようにして発音する音。
無気音の時はあまり手に息を感じませんが、有気音の時は勢いよく息を吐くので、手に息を感じます。
有気音の時はロウソクを消すようなイメージで息を吐くとうまく発音できますよ。
また、”zhi”,”chi”,”shi”,”ri”以外の子音は、口の形が後ろにくっついて来る母音の口の形になる事を意識して発音すると、よりキレイに発音できます。 子音 唇音
特徴:発音する時、口を閉じた状態から勢いよく開いて発音していきます。
子音 舌尖音
特徴:舌先を上の前歯の裏につけた位置からスタートして、舌を離すと同時に声を出します。
子音 舌根音
特徴:のどを使って発音します。舌を後ろにひっこめ、舌先を下の歯茎にくっつけます。
舌の根元部分とのどに力をいれて発音します。
子音 舌面音
特徴:舌先を下の歯茎につけ、上下の歯を軽く触れさせながら発音します。
子音 そり舌音
日本人には一番苦手な巻き舌ですので、重点的に練習するようにしましょう。
特徴:舌を上にそらせて発音するいわゆる巻き舌です。舌の位置がとても大事です。
舌は口の中で丸く巻き、基本形は舌はどこにも触れません。音を出す時、かすかに上あごに触れます。
子音 舌歯音
特徴:上下の歯を合わせて、舌を後ろに引いた状態から、
発音する時舌先を少し前に押していくイメージで発音します。
無気音と有気音の違いをしっかりと把握し、意識しながら発音の練習をしてみましょう。
慣れないうちは同じ様に聞こえたりしますが、
まず自分で正しい音を発音できる様になれば自然と聞き分けられる様になります。発音練習
音の区別に注意しながら繰り返し練習しましょう。
ピンインを効率よく習得するには?
名前の通り、”口をトレーニング”して行くことです。
つまり、普段使っていない口の周りの筋肉を中国語は使うのです。
10分でも15分でもいいです。お風呂に入ってる時などでもいいです。
大切なのは毎日”筋トレ”を続けることです!
それだけで、上達のスピードが格段と変わります。
音声を聞いたり、鏡で口の形をチェックしながらぜひ実践してみましょう。
特に苦手な発音は書き出して、そこを重点に繰り返し発音練習してみるのもおすすめです。
すでに書かれているテキストが多いですが、それでも更に自分で書き込むことをおすすめします。
何度も書くことで、ピンインや声調をそのたび意識するので自然と練習になりますよ。まとめ
冒頭でも言ったように中国語学習においてもっとも重要なファーストステップです。
関連記事の”四声編”と合わせて勉強すると良いでしょう。
ぜひこの記事を参考にして、中国語の四声とピンインをマスターしてみてくださいね。
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