中国の伝統行事・節句から知る中国ならではの祝日と文化
この記事の目次
中国のお正月「春节」
日本で一番知られている中国の伝統行事が「春節」、または「旧正月」と呼ばれています。
旧正月は、旧暦の1月1日を指しています。
毎年時期が異なり、西暦では1月末〜2月末になることがほとんどです。
この時期は、大型連休になるので、7〜10日ほど春節休暇とする企業が多いです。
逆に、西暦の1月1日を祝う習慣は特になく、元旦の1日だけ祝日となっています。
旧正月には縁起がいいとされる赤や金を基調にした「春联」や「福字」などの飾りを玄関や家に飾り、親族で集まり一家団欒を楽しみます。
日本同様、大人は子供に「压岁钱(红包)」と呼ばれるお年玉を渡しますが、子供だけでなく若者やお年寄りに配ることもあります。
上司が部下に渡すこともあり、幅広い層でコミュニケーションツールとなっているようです。
新年に鳴らす爆竹は、近年禁止している都市が増えています。
安全面、騒音、大気汚染などを考慮すれば仕方ないのかもしれませんが、古くから続いてきた伝統がなくなるのは少し寂しいですね。
また、春節は都会に出稼ぎに出ている人たちが一斉に帰省するので春節の前15日、後ろ25日は「春运」と呼ばれる交通網の大混雑が発生します!
電車や飛行機のチケットが取りづらくなるのはもちろん、駅や空港なども大量のお土産を抱えた移動者でごった返すのでこの時期に中国に行く場合は注意が必要です。
灯籠を灯し、白玉団子を食べる「元宵节」
春節から数えて15日目、つまり旧暦の1月15日、1年で最初の満月の日が元宵節です。
「上元节」や「灯笼节」とも呼ばれています。
元宵節の由来には諸説ありますが、漢王朝の呉天皇が旧暦の1月15日に北極星を祀る儀式を行った事が最初だと言われています。
しかし、この風習が民間に広まり始めたのはその後の魏の時代でした。
さらに、その後の唐の時代では、仏教が盛んだったため、人々は灯籠に火を灯し仏様に祈祷する習慣が広まったそうです。
以来、この元宵節は今でも灯籠を灯す風習が残っており、海外ではランタンフェスティバルとも呼ばれています。
この日は、家の軒先や街に灯篭を飾る以外にも、「汤圆」と呼ばれる餡入りの米粉で作った白玉の団子を食べます。
地域によっては、「龙灯」と呼ばれる、龍の形した大きなランタンを灯したり、猿回しをしたりと様々なイベントが開催されますよ!
元宵節を過ごすとお正月ムードも一区切りするので、日本の七草粥を食べるのに少し似ているのかもしれませんね。
お墓参りに行く「清明节」
毎年4月4日〜4月6日のうちの一日が清明節とされています。
こちらも旧暦に基づいているので、年によって日付が変動します。
この日は、先祖のお墓参りに行くのが習慣で、お墓を掃除し、食べ物や果物や備えて先祖を偲びます。
萌え出た草を踏むという意味の「踏青节」とも呼ばれ、春の訪れを感じる良い気候を利用して旅行を楽しむ人もいます。
日本の「お盆休み」とほとんど同じですね。
国民の休日「劳动节」
毎年5月1日は、中国では「五一劳动节」と呼ばれる労働節の日です。
国に貢献した人の表彰や、文化・スポーツ方面のさまざまなイベントが開催されます。
また、この日の前後は休日となっていることが多いので、有給をうまく利用すれば8〜10日ほどのお休みになります。
日本でいうとゴールデンウィークにあたり、中国では「黄金周」と呼ばれています。
この時期には多くの人が旅行に行くので、日本でもたくさんの中国人観光客を見かけることがあると思いますよ。
粽を食べる「端午节」
日本でも5月5日は子供の日で、端午の節句と呼ばれていますよね。
中国では、西暦ではなく、旧暦の5月5日が端午節になります。
この日、中国では無病息災を祈って粽を食べます。
他にも、ドラゴンボートと呼ばれる竜を飾った船による競技も開催されますよ!
端午節の由来は2300年ほど前にさかのぼります。
楚の国の政治家で詩人でもあった屈原は、他国の謀略を王に諫言するが、それを聞き入れてもらえず国を憂いて入水自殺してしまいます。
屈原は人々に大変慕われていたので、人々は屈原を探そうと船を出し、遺体を魚に食べられないよう米を投げ込んだそうです。
これがドラゴンボートと粽を食べる習慣の始まりだと言われています。
今では、ドラゴンボートは速さを競うための競技としても行われていますよ!
また、中国の粽は日本のと少し違い、お肉だけでなく色々な物を包みます。
あんこを中に包んだ甘いチマキや、何も包まず砂糖を付けて食べる「白粽子」などもありますよ!
恋人の日「七夕节」
七夕も日本と違い、中国では旧暦の7月7日とされています。
ですので、こちらも年によって日にちが変動します。
西暦では、だいたい8月初旬ころになることが多いです。
織姫と彦星の伝説にちなんで、かつては女性たちが織姫のように裁縫や刺繍がうまくなるようにと祈る日でした。
日本では芸事がうまくなるよう願い事を短冊に書いて飾る習慣が残っていますね。
現代の中国の七夕は、恋人たちがプレゼントを交換し合い、一緒に過ごす中国版バレンタインデーになっています。
ちなみに2月14日も「情人节」と呼ばれ、恋人の日なのですが、中国では男性が女性に薔薇を送ります。
恋人たちの日が多い中国は、想像以上にロマンチックなのかもしれませんね。
一家団欒する日「中秋节」
中秋節は旧暦8月15日、日本でも中秋の名月として有名な日ですよね!
こちらも旧暦なので、毎年変動します。
西暦ではだいたい9月頃になることが多いですね。
満月は円満の象徴とされ、月に見立てた月餅と呼ばれるお菓子を食べながら一家団欒を楽しむ日です。
またこの時期に企業ではお世話になった人にギフトとして月餅を渡す習慣もあります。
日本の少し遅いお中元のような感覚なのでしょうか。
月餅の中身は、あんこや塩漬けした卵の黄身・ナッツ・ココナッツなどがオーソドックスですが、最近ではアイスクリーム・チョコレート・カスタードクリームなども人気です。
また、スターバックスやハーゲンダッツなどの有名企業からも出ていて、さまざまな味が楽しめますよ!
中国の一大イベント「国庆节」
毎年10月1日は、国慶節と呼ばれ、中国の一大休日です。
春節に次ぐ大型の祝日で7連休になります。
1949年10月1日に北京で毛沢東が中華人民共和国を成立した、いわゆる建国記念日です。
この日は、中国各地がお祝いムードに包まれます。
私は、北京で毛沢東と孫文の大きな写真を掲げた人たちがパレードをしているのを見たことがありますが、なんとも壮観でした。
長い休暇なので帰省や旅行へ出かける人が多く、春節シーズン同様、日本をはじめ海外への旅行者が増えることでも知られています。
中国国内でも観光客などでにぎわっており、この時期はどこに行っても観光地は人でごった返していますよ!
まとめ
いかがでしたか?
中国の伝統行事には、日本でも親しまれている物もあれば、まったく違ってびっくりする物もありますよね。
現地に行くチャンスがあれば、どのように過ごしているのかぜひ体感してみてくださいね。
また、国内でも横浜や神戸などの中華街では、伝統行事を開催していることが多いです。
現地へ行かなくても、そういった場所に行けば同じ雰囲気を味わえますよ。
特に春節は、普段の雰囲気とまったく違うので、中華街へ行ってみるのがオススメです!
ぜひ、中国文化を体感してみてはいかがでしょうか?
最後までお読み頂きありがとうございました。
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