1. TOP
  2. コラム
  3. 「今まで」の中国人爆買いランキングと、爆買いの「今」を探る【2019年】

「今まで」の中国人爆買いランキングと、爆買いの「今」を探る【2019年】

LINEで送る
Pocket

爆買いが下火になったってホント?

「爆買い」というワードは、2015年頃に主に訪日中国人が日本で様々な商品を大量に買っていく姿を比喩して作られた俗語。
当時は各メディアでも多く取り上げられましたよね。
当年の流行語にまでなったほどですので、今や日本人なら誰でも知っている言葉として定着していますね。

2018年の上半期だけでも、訪日外国人の人数は1873万人にもなり、年々増加傾向にあります。
もちろんその中でもトップの人数を誇るのは中国人で、割合も12%ほどアップしています。

メディアでよく目にする訪日中国人の爆買いの中身と言えば:
・ドライヤー
・美顔器
・炊飯器
・空気清浄機
・白い恋人
・東京ばなな
などの家電製品や日本限定の菓子類、食品が多かった印象です。


やはり日本の家電製品は絶大の人気を誇っていますね。
検品も厳しくされていますし、長持で値段も手ごろだという「安心感」が中国人にも根付いているといった背景からでしょう。
また、中国で日本の家電を買うと、値段が2〜3倍高くなるのも理由の一つだと考えられます。
人気の商品になると値段がどんどん吊り上がり、日本では考えられない金額で売られている事もあるそうです。

菓子類は、お土産としても喜ばれますし、自分用に買っても楽しめるので爆買い対象となってもなんら不思議ではありません。
私も日本に一時帰国する際に、友人から銘柄指定でお菓子を3~5箱ほど買ってきてくれないか?と頼まれたことがあるほど。
やはりお菓子も根強い人気があると思います。

そして、今でも不動の人気を保っているのが「医薬品類」です。
爆買いが始まった2015年頃から、爆買い対象で堂々の1位はやはり医薬品でした。

特に人気なのが:
・雪肌精(KOSE)
・専科(資生堂)
・サンテFXなどの目薬
・パブロンなどの風邪薬
・熱さまシート
・龍角散
・ANESSAなどの日焼け止め
・フェイスパックなどのメイク商品


特に体内に摂取する飲み薬系は、日本製のものが良いという中国国内の評判もあり、小さなお子さんを持つ中国人の方には支持が高いようです。
中国産の薬には、強い副作用が出るものや、成分偽装などで子供の体調が悪化した等という事実報道があるためでしょう。

中国は今や経済大国と言われ、富裕層が増えているものの、国内にはまだまだ不安が残る面から、こうした「日用品」の爆買いが起こったというのも1つの要因かもしれません。
最近は「爆買い」が下火になったというような記事なども見られますが、観光庁の公表している統計を見ても、年々消費額は増加傾向にあり、2018年の1-3月の合計消費額1兆1343億円のうち、38.7%を占める4391億円は中国人訪日客の消費によるものです。
かなりの金額が日本の経済に貢献されていると言えますね。

確かにドラッグストアや電器屋等で人だかりを作って商品を大量購入するといった姿は以前より見られなくなったかもしれませんが、「お金を払って」何かを買ったり、体験している中国人はむしろ増えているという事ですね。

 

今の中国人の消費傾向とは?爆買いのランキングの変化

中国人が日本で買い物をする際、大体は知り合いの口コミや中国版ツイッターのウェイボーでコスパや効果効能はどうかなどを調べてから行く人が多いです。
そのため、日本で同じ商品が大量に売れていくのも、みんなが同じ情報を得ているからだと言えます。
中には日本人でもあまり知らないのに、中国人の間では大人気の商品などもありますよ!
これらも爆買いの特徴と言っていいかもしれません。


ここで、昨年(2018年)の中国人消費傾向ランキングを見てみましょう。

1位 ヒロインメイクのアイライナー
2位 DHCのメリロート(サプリ)
3位 菓子類
4位 トップ(洗剤)
5位 無印良品の文房具類
6位 雪肌精(化粧品)
7位 ベビーカー
8位 ハンドクリーム
9位 UNO洗顔料
10位 腕時計

数年前と変わらず、人気を博しているラインナップも目につきます。
やはり美容やスキンケア商品は王道の売れ行きですね。
消耗品なので、大量に買っていく人も多いのでしょう。

ランクインはしていませんが、「SKⅡ」もかなり人気が高いようです。
中国のサイト「百度」では、日本に行って「SKⅡ」を買わないなんて、日本に行ったと言えないなどと書いている記事もありました。(苦笑)
値段は高いが、品質と実際の効果が高く評価されているようですね。
お金に糸目を付けず、「より良い物」を買いたいというのが今の中国人消費者の傾向だと考えられます。

以前より変化のある部分は、「時計」や「文房具」といった嗜好品の人気も上がってきているという事です。
ランキングには上がっていませんが、「一眼レフカメラ」や「電子タバコ」などの小型電化製品なども大人気です。
腕時計はG-shockなどの日本ブランドの時計がトレンドなようです。
デザインや機能性に加えて、「海外製」にステータス性を感じる中国人も増えてきていることがうかがえますね。


無印良品は、中国にも店舗があるのですが、値段が日本の価格の約2~3倍ほどで販売されているので、中国ではちょっとした「高級店」のような位置づけ。
また、最近話題になった「偽物」騒ぎなどもあり、日本で買った方が安くて安心できることから人気が高いのでしょう。
化粧品もそうですが、最近は何かを買うにも「高級志向」になってきている中国。
無印のシンプルなデザインとコンセプトが日本らしく、こうしたデザイン性に凝ったものを好む傾向も出てきているが故のランクインではないでしょうか。

さらに、今回のランキングで意外なのが「ベビーカー」
その背景には、数年前から緩和された一人っ子政策。
2人目の子供を持つことが許可された中国では、子供用品や赤ちゃん用品の需要が出てきているためです。
ベビーカーや子供用薬品の売り上げはこれからも伸びていくと予想できそうです。


 

中国富裕層の「今」新たな日本での消費対象

現在著しいGDP成長に伴って、経済大国となった中国にも、都心部を中心に富裕層が多くなりつつあります。
海外の製品を持つことは一つの「ステータス」のようになり、デパートには日本製品はもちろん、各国のブランド店などが軒並み並んでいるという光景もあまり珍しくなくなってきました。

昨今、そういった富裕層がターゲットにしている日本の爆買い対象は、先ほど紹介した「モノ」だけじゃなくなって来ている事をご存知でしょうか?
現在の富裕層が日本に来る目的は「医療」「美容整形」「歯科治療」といった高額かつ身体に関わるサービスを受けることなのです。


原因は、中国では「がん治療」や「糖尿病治療」などの治療費が高額かつお金があったとしても、治療するのに予約がなかなか取れないや医師の技術に不満がある等の背景によるものです。
日本の医療施設なら、安心で親切、適切な処置をしてくれますから、数百万円払ってでも、日本で治療をして健康になりたいという方も多くなってきているのでしょうね。
中でも日本の人間ドックは精度が高く、定期的に来日し健康診断を受けて行かれる人もいるそうです。

また、美容整形に関しては、韓国に行ったり、中国国内にも整形外科はたくさんあり、そちらで処置をする人もいますが、やはり詐欺まがいのクリニックなども少なくないため、日本の技術の信頼を買って来日する人が少なからずいるという事でしょう。
歯科治療も中国国内の治療は高い上、技術に不満や不安を感じる富裕層が来日し治療を受けていく事が多いようです。


今までは「モノ」消費に焦点が当たっていたのですが、今現在は「モノ」ではなく、こういった日本の技術力と信頼性、サービスという「コト」消費に焦点を向けている中国人富裕層も増えてきたことがわかります。
お金はあるが、中国国内のサービスにまだまだ不安を感じる富裕層にとって、日本の医療は先進的かつ安心、信頼できることから、今後もどんどん人気が高まると予想できるでしょう。

 

まとめ


いかがでしたでしょうか?
数年前からよく耳にする中国人の爆買いの推移には、共通する「国内では補えないものを求める」という背景があるという事がお分かり頂けたかと思います。

ただむやみに物珍しいものを買いあさるのではなく、お金を払う対価として、
中国では得られない経験や生活の中での満足感を体験したい!という気持ちがあるようです。

そう思うと、また彼らに対する見方も変わってくるかもしれません。
この記事が少しでもお役に立てたら幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

今後とも知りチャイナでは、中国語学習に関するお役立ち情報を配信して参ります。
参考になったらぜひシェアや「いいね!」お願いします。
引き続きお役立ち情報をお届けする励みになります。

LINEで送る
Pocket

\ SNSでシェアしよう! /

ビジネス中国語会話の学習サイト|知りチャイナの注目記事を受け取ろう

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

ビジネス中国語会話の学習サイト|知りチャイナの人気記事をお届けします。

  • 気に入ったらブックマーク! このエントリーをはてなブックマークに追加
  • フォローしよう!
中国語発音チェック
あなたの中国語は正しく発音できていますか?

自分の発音が心配になった事はありませんか?

今だけキャンペーン中!実質無料であなたの発音をチェック致します。
今すぐチェックしてみる

ライター紹介 ライター一覧

ともなか

ともなか

女性 90年代生まれ

20歳の時に図書館でたまたま借りてみた中国語教材にドはまりし、中国語の虜になりました。

2015年から中国在住。現地の日本語学校で教師を勤めたことがあります。現在は中国人の主人と2匹の愛猫と生活中。

中国語の勉強はもちろん、絵を描いたり読書をしたり、いつも「何かをしていないと落ち着かない」性分です。

中国と日本は近くて遠い国、皆さんに少しでも中国への理解が深まるよう努めていきたいと思います!

この人が書いた記事  記事一覧

  • 【必見!】ビジネスにも活用できる中国のアプリ「WeChat(微信)」徹底解説

  • 【必見】これでぐんぐん中国語力UP!おすすめの学習法

  • 「今まで」の中国人爆買いランキングと、爆買いの「今」を探る【2019年】

  • 日本人が中国で生活したら…!?リアルな中国の生活実態