キングダム好きにおすすめ!中国の戦国時代を舞台にした映画6選
中国の戦国時代ってどんな時代?
難しい言葉も出てきますが、中国の戦国時代について、少しだけ説明させてください。
まずは、時代背景を理解して頂くと、より映画を楽しめますよ!
中国の戦国時代は、秦の始皇帝の1つ前、激動の時代でした。
中国の歴史を見ると、一番最初の王朝が「夏」。
「夏」の次は「殷」「周」と続きます。
戦国時代は「周」王朝だったときの時代です。
中国文明が成立したといわれる中国古代の「周」。
「春秋戦国」時代は、邑と呼ばれる多くの都市国家が存在する時代でした。
鉄製農具や青銅貨が造られ、農業や商業が発達した時代でもあります。
周王は一族や有力氏族たちを諸侯とし、土地を与えてその統治を任せるかわりに、納税や従軍を課しました。
古代周王朝の実態は、1,200を超える邑の連合体でした。
周王ですら、支配下の諸侯が君主する小さな邑までは直接支配できません。
諸侯たちは邑の中に県という制度を設け、領内支配をしていきました。
※諸侯とは:地位の高い役人
諸侯の地位は、代々その子孫らが受け継がれましたが、時代とともに血縁関係が薄れていきます。
周王の権威が衰えてからは、各地で諸侯たちの争いが行われ、小さい邑は大きな邑によって併合されていきました。
戦国時代の始まりは諸説ありますが、諸侯の下の層が政権を奪う下克上が起きたことから、紀元前403年に「晋」が「韓」「魏」「趙」の三国に分裂してからを戦国時代という説が有力です。
最終的には「秦」「楚」「斉」「燕」「趙」「魏」「韓」の七国が領域国家へ成長していきました。
厳密には、七国以外にもそれなりに力を持っていた、「宋」「中山」や、「衛」「魯」などの小さな国々もあり、それぞれの国は、互いに睨みを利かせ合うことでうまく存続していったのです。
紀元前221年に「秦」の始皇帝によって六国や小国は滅ぼされ、戦国時代は終焉を迎えました。
つまり「中国統一」を成し遂げたのが、秦の始皇帝ということです。
本を読んだり、ネットで調べたりすれば、もちろんこれらの歴史を学ぶことが出来ますが、難しい言葉ばかりで、正直読んでいて疲れますよね?
せっかく中国の歴史に興味を持ってくれたのに、読むのが大変だからと途中でやめて欲しくないという思いから、
今回はこの戦国時代の国々、武将たちをモチーフにした歴史映画から、特に人気のある6作品を紹介させて頂きたいと思います。
映画であれば、どんなに長くても2〜3時間ですので、ぜひあなたが興味をもてる作品を見つけて頂けたら嬉しいです!
1.墨攻(ぼっこう)
日本の歴史小説が原作で、漫画化もされました。
「墨攻」という単語は、作者が「墨守」という言葉を転じた造語です。
戦国時代に「儒家」と並ぶ勢力となった「墨家」は、
儒学の思想を差別愛と捉え、博愛主義や侵略の否定を唱える集団でした。
映画に登場する墨家の革離を劉徳華(アンディー・ラウ)が好演。
革離は、大国の大軍に包囲された小国の城に入城し、
小国の軍師となって防衛戦を戦い抜きます。
普段から、城を防御する技術を研究していた「防衛のプロフェッショナル」です。
戦乱の世に、命がけで平和を説き、いつも弱者の側に立って戦う主人公を通じて、
戦争の意義を考えさせられる作品で、ぜひ見て頂きたい作品の一つです。
【予告編】
2.HERO〜英雄〜
香港や中国の豪華キャストや映像技術と衣装の美しさが話題を呼びました。
黒、赤、青、白、緑、それぞれの色とテーマを絡め、
ストーリー展開をわかりやすくし、中国映画の興行成績を塗り替えた作品。
秦国の兵士達は、CGでは表現できない生身のエキストラならではの迫力!
一斉に放たれる矢など、本当に目を見張るシーンが多いのが特徴です。
日本の歴史映画の「天と地と」を彷彿させます。
この映画は、映像の美しさが評価されることが多いですが、
話が薄っぺらいわけではないのです。
「剣の極意は、人を殺めることにあらず、人を生かし、天下のためにあるべし」
という、梁 朝偉(トニー・レオン)演じる残剣のセリフ。
この「天下」という文字に込められた意味について、あなたはどう思いますか?
ぜひあなたの目で確かめてみてください。
【予告編】
3.始皇帝暗殺
中国・日本・フランスの合作作品です。
中国語タイトル:「荊軻刺秦王」
始皇帝は歴史上、暗殺されたとは言われていないですが、タイトルは『始皇帝暗殺』。
始皇帝は実際、暗殺されていたのか、それとも…。
始皇帝の暗殺にまつわるエピソードをもとに、
三人の男(秦王の政、荊軻、燕丹)と一人の女(趙姫)を巡る愛憎劇です。
暗殺者の荊軻を演じる、張豊毅(チャン・フォンイー)の泥臭い演技と、美しい鞏俐(コン・リー)の色気ある演技は見応えがあります。
映画のセットが忠実に再現しており、公開当時話題になりました。
実際に建造された宮殿は、映画『HERO』でも使いまわされていますよ!
豪華な宮殿や衣装など、戦国時代の衣食住を楽しみながら見てくださいね。
【予告編】
4.エンプレス/運命の戦い
中国語タイトル:「江山美人」
「江山美人」とは、中国の湖北省黄梅県に伝わる民謡をベースに演劇となったものです。
黄梅調の古典劇としても知られており、1959年には、身分違いの恋物語をテーマにした同名の映画が制作されています。
監督は「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」や「少林サッカー」も手掛けた、程 小东(チン・シウトン)。
香港の歴史任侠映画、ワイヤーアクションや武術指導の第一人者です。
戦国時代の燕と趙の国を舞台に、陳慧琳(ケリー・チャン)が演じる王女と黎明(レオン・ライ)が演じる隠士とのラブ・ロマンス映画です。
日本でも人気の高いケリー・チャンが、国を背負って自ら戦士として戦う女性を演じ、甲冑に身を包み、剣と弓と馬を操るアクションに挑戦しています。
歴史映画のわりに登場人物が少なく、華麗な剣さばきと戦闘シーンは迫力がありますよ。
【予告編】
5.戦国
中国の戦国時代を舞台に、「戦国七雄」こと七つの強国(秦・楚・斉・燕・趙・魏・韓)と、王たちの闘争が描かれています。
多くの中国映画に出演している、中井貴一さんが斉の威王役を演じています。
実は日本未公開作品です。
一見、歴史スペクタクル映画かと思いきや、中国古典といった類の堅苦しいものではありません。
『孫子の兵法』の孫臏に関する歴史を脚色した、恋愛あり、戦争ありの娯楽作品ですよ。
*孫子は二人いて、孫武は春秋時代の軍師で、その子孫である孫臏は戦国時代の軍師。ちなみに、孫子兵法の著者は孫武の方であるというのが最近の定説です。
【予告編】
6.ラストソルジャー
中国語タイトル:「大兵小将」
原案・製作総指揮・武術指導・主演は、ジャッキー・チェン。
コミカルで明るい単純なエンタメ作品が多いイメージのジャッキーですが、本作のジャッキーは違いますよ!
舞台は紀元前227年の中国戦国時代、梁国の名もなき兵士(ジャッキー)と、衛国の将軍王力宏(ワン・リーホン)の二人のロードムービーです。
ジャッキー・チェン特有のアクションとベタなギャグを盛り込みつつ、不条理に思われる戦争と戦争に巻き込まれた人々の苦悩が描かれています。
ジャッキーが構想を20年間温めていたというだけあって、中国で公開された歴代の主演作の中で最高の興行収入をあげたということにも納得の作品です。
主演が日本でも有名なジャッキーということもあり、見やすい作品だと思いますよ!
【予告編】
まとめ
いかがでしたか?
気になる作品は見つかりましたでしょうか。
今回は戦国時代の映画を取り上げてみました。
他にも中国歴史をテーマにした、面白いエンタメ作品が多くある中、今回ご紹介した作品は中国国内で話題になった作品ばかりです。
「中国四千年の歴史ある」といいますが、いつの時代にどんなことが起きたのか、少しでも理解してから作品を見ると、面白さも倍増しますよ!
ぜひ、気になる作品があれば見て頂けたら嬉しいです。
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